【書籍紹介②】西の魔女が死んだ【夏休みにおすすめ】
夏休みスタート!
こんにちはトライプラス千葉みなと校です!
毎日暑い日が続きますね。
夏休みに入ってから一週間が経ちました。楽しい予定が多い反面、夏期講習や宿題や家事も増えて
お忙しい皆さんも多いのではないかと思います。
今日は私から、お忙しい皆さんでもサクッと読める一冊をお届けします。
『西の魔女が死んだ』(梨木香歩著、新潮文庫、2001年)
梨木香歩の名著、『西の魔女が死んだ』。
2008年に映画化もしましたね。サチ・パーカーの演じる”おばあちゃん”がイメージにぴったりでとても強く印象に残っています。
この物語の主人公は中学生の女の子、まい。
私も中学生の頃に、学校の読書感想文を書くためこの著書を読みました。8月31日の夜中までかかったことをよく覚えています。
中学生の私でもすいすい読めて、主人公の心情やおばあちゃんの言葉に強く影響されました。
大人になってから読み返してみると、主人公のまいとは別の視点から楽しむことができるかもしれませんね。
あらすじ
”中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、
魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。”
魔女のいる世界
この物語は学校へ行けなくなってしまったまいが、”西の魔女”ことまいのおばあちゃんの家で魔女修行をしていく過程がメインとなっています。
このお話のとても魅力的なところはファンタジーな設定と現実の設定が上手に入り混じっていることではないかと思います。
中学生といえば、まだまだ子供でいたい部分もありながら少し現実的な視点で悩みを抱えたりもする、複雑な時期ですよね。
主人公のまいも、おばあちゃんが魔女であることを信じていながらどこか人間らしさがあることに戸惑いを覚えたり、そんな心情が表れています。
私が中学生の時にこの本を読んだときは、もしかしてノンフィクション?と思ったものでした。(私はほうきにまたがって空を飛ぶ練習をしているような小学生だったので)
意志の力
まいがおばあちゃんの元で行っていく”魔女修行”とは、
あらすじにもある通り「自分の意志で決めたことをやり遂げること。」
例えば早寝早起きをしたり、運動をしたり、勉強の時間を決めたり・・・とそんな内容でした。
魔女の力を手に入れる修行にしては「なんだかなぁ」と思うまいでしたが、おばあちゃんはこう言います。
”悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、一番大切なのは、意志の力。自分で決める力。自分で決めた力をやり遂げる力です。”
大人でも子供でもとっても胸に響く言葉じゃないでしょうか。
「自分で決める」こともとっても難しいことですが、「やり遂げる」ってさらに難しいですよね。
毎日5時に起きる、毎日5時間勉強する、と決めてもなかなか実行に移せないこともあると思います。
千葉みなと校に来ている生徒をみていても、「自分で決めることが苦手なんだな」「自分で考えて計画を立てるけど意志が弱いな」と思うことがよくあります。
魔女だってこんな修行をしているのだと思えば、どんなに難しいことなのかわかりますよね。
魔女修行だと思って今日から頑張ろう、という気持ちにさせてくれる台詞だと思います。
逃げること
私がこの本を大好きになるきっかけになった台詞があります。
”サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。”
中学生になって学校に行けなくなった理由として、周りの女の子たちの友達関係に馴染めなかったからと打ち明けるまいに、おばあちゃんが放った一言。
まいは違う学校に転校することを選んだり環境を変える努力をすることが、なんだか自分で逃げているようで後ろめたいと考えていました。
小学校から中学に上がった時に感じる環境の変化や、日常生活の中でどうしても馴染めない、という環境に遭遇した時、まさに「生きてくる言葉」じゃないでしょうか。
わたしたちはサボテンや蓮やシロクマのように、自分らしく生きていきやすい環境を選んでもいいと勇気づけてくれる言葉だと思います。
ラストシーン
この物語でとても有名なものの一つがラストシーンです。
おばあちゃんがまいに伝えたかったことの全部がラストに詰め込まれています。
感動して涙が止まらないかも・・・。
結末が気になる方は、是非ご一読ください。
以上、トライプラス千葉みなと校でした。